納会

12月26日火曜日

 

会社の納会だった。

自部署は運営側なので、お客さんとして楽しむことはない。四年ぶりの開催となった今年は、例の同僚の退職により残されたメンバーでの運営となる。なんの引き継ぎも受けていない私がお手伝いをすることとなった。振り返ると段取りを誤った箇所が多々あった。特に片付けは、終了時間が勝手に変更になり、退出時間が迫る中で片付けながら、忘れ物の発見と持ち主探し、新卒インターンの対応、酔い潰れた人の介抱、クロークにコートを置いて帰る人たちの呼び出し、忙しなく動き回ったけれど、非常勤役員のアテンドは後手に周ったというか放置してしまい、全体的に空回りだった。新卒さんは待たせるのも悪いのでとりあえず帰ってもらったけど、偉い人たちに挨拶させるの忘れた。酔っ払いは放っておいても良かったが、会場から出ないとまずいし、外で事故にでも遭ったら大変なことだと考えた。その人の所属長は電話が繋がらなかった。そういえば主担当の彼は何をしていたのだろう。

ていうか大人なんだから非常勤役員も酔っ払いその他のみんなも、自分の足で指示通り帰って欲しい。

 

酔い潰れた人はとりあえず会場から出てもらったがタクシーで帰れるような状態ではない。引き受け手がなく、二次会に行くらしい本社メンバーが預かってくれた。その集団の最後列に付いて少しずつ距離を広げ、帰宅した。

 

お酒を一滴も飲んでいない私と、他は大体飲んでベロベロの人たち。上手くいかなかったことを思い出して、どうしてこんな気まずい思いをするのだろうと考えて辛くなる。きっと主担当の彼は反省点とかないんだろう。

 

けれど会としては概ねみんな楽しそうで、小競り合いもみえるところでは起こらず、営業会社らしい楽しいものとなったと思いたい。会場の端の席から様子を眺めて、良かったと思いながら絶対にこの会社には馴染めることはないと冷静に確信した。孤独とか悲しみではなくて、ただ事実として冷静に確信してしまった。

 

二次会の集団を見送ったとき、頭を抱えて座り込みたい気分になった。トボトボと歩いて、精神がざわついていたので、本屋をぼんやり彷徨って欲しい本を選びながらふらふらして帰った。